ビジネス書を読み漁るフリーターという意識が高いんだか低いんだかの太郎は、ある日、NY在住の友人から一緒にビジネスをやらないかと誘われる。人生大逆転のチャンスとばかりに全財産をかけてNYにやってきたが、その日友人が集団詐欺容疑で逮捕されてしまった。 途方にくれる太郎の目の前にはカジノ。帰りのチケット代だけでもと意気込み勝負するも、結果は大惨敗。持ち金すべてを失ってしまった。金もツテも完全に失いカジノのベンチでうなだれていると、ひとりの老人が近づいてきて、$1チップを差し出してきた。 「このチップには守り神が宿っている。大事にしろよ。気が済んだら誰かに譲ってやれ」 老人がなにかを説明して去っていったが、英語でひとつも分からない。 こんなチップ1枚持っていても仕方ない。近くのテーブルで適当に賭けようとした時だった。 「ちょっと待ちな。そういう投げやりな態度はよくねえぞ、坊主」 声はチップから聴こえる。裏返すとそこにはスーツにサングラスという出で立ちの小さいおっさんが張り付いていた_。