危篤の父に代わり家業を継ぐ為、東京から広島に帰ってきて2ヶ月。 忘れかけていた広島弁とともに、黒歴史まですっかり再インストールされた。 今は6月。降り続く雨のせいで、すさんだ心はさらにぐちょぐちょになっていた。 久しぶりの地元には、皆が「茜さん」と呼ぶ女性がいた。僕が東京にいる間に移り住んできたらしい。 彼女は変わり者のようで、おかしな噂や目撃情報をしょっちゅう耳にする。 猫語をマスターしていて、日がな一日海岸でネコたちと日向ぼっこをしているとか、 日雇いのバイト先でおじさん達と取っ組み合いの大乱闘の末、酒を酌み交わす仲になったとか、 川で溺れていた子供を助け出した_うさぎの着ぐるみを着たまんまとか。 神出鬼没で捉え所が無く自由奔放、と思えば情に厚かったりする_彼女を表すならそんなところか。 だけど、この町に来る前には笑えないエピソードがあるらしくて…。 そんな茜さん、なぜか雨の日だけ古びた映画館を切り盛りしている。 寂れた駅の裏手なのに茜さん目当てに客が群がるから、雨の日だけ異様な光景が広がっている…。 かく言う僕も、いつの間にか雨の日が待ち遠しくなっているわけであります_。

 

 

スタッフ/キャスト

西村茜:稲森ユウ
新田圭吾:興津学
福山千鶴:MAOKO
沖田健吾:竹原和史
小山田みずき:宮原日並
葉山五郎:江田島すすむ

監督:岩永孝明
脚本:crunch
プロデューサー:吉田奈保
撮影:麻生祐樹
編集:徳田みよこ
音楽:ハンサムトランス
美術:フジモトゴールド
衣装:清水舞
キャスティング:上田直樹